七つの大罪とは、「七つの罪源」ともいわれ、「罪そのもの」というより、
キリスト教徒が伝統的に人間を罪に導く可能性があるとみなしてきた欲望や感情を指す。
4世紀のエジプトの修道士エヴァグリオス・ポンティコスの著作により初めて八つの「枢要罪」
があらわれたのが起源である。八つの枢要罪は厳しさの順序によると
暴食、色欲、強欲、憂鬱 (sadness)、憤怒、怠惰、虚飾 (vainglory)、高慢、である。
後に6世紀後半にはグレゴリウス1世により八つから現在の七つに改正され、順序も現在の順序に仕上げられた。
「虚飾」は「高慢」に含まれ、「怠惰」と「憂鬱」は一つの大罪となり、「嫉妬」が追加された。
13世紀のトマス・アクィナスも著作の中で、キリスト教徒の七つの枢要徳と対比する形で七つの「枢要罪」をあげている。
現代のカトリック教会のカテキズムでは、七つの罪源についてヨハネス・カッシアヌスやグレゴリウス1世以来、
伝統的に罪の源とみなされてきたものとして簡潔に言及されている。伝統的な七つの大罪とは以下のようなものである。
傲慢 ラテン語:superbia. 英語:pride, vanity. 司る悪魔は、ルシファー又はベリアルであると言われる。
嫉妬 ラテン語:invidia. 英語:envy, jealousy. 司る悪魔は、リヴァイアサンであると言われる。
憤怒 ラテン語:ira. 英語:wrath, anger. 司る悪魔は、サタンであると言われる。
怠惰 ラテン語:acedia. 英語:sloth, accidie, acedia. 司る悪魔は、ベルフェゴールまたはアスタロスであると言われる。
強欲 ラテン語:avaritia. 英語:greed, avarice, covetousness. 司る悪魔は、マモンであると言われる。
暴食 ラテン語:gula. 英語:gluttony. 司る悪魔は、ベルゼブブであると言われる。
色欲 ラテン語:luxuria. 英語:lust. 司る悪魔は、アスモデウスであると言われる。
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